シャロン モアレム, ジョナサン プリンス, Sharon Moalem, Jonathan Prince, 矢野 真千子: 本
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5つ星のうち 3.0 個々のトピックスは面白いが、解釈が微妙,
レビュー対象商品: 迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか (単行本)
本書は、いわばダーウィン医学の入門書である。近年は医学研究でも生物進化が考慮されるようになってきており、このような一般に分かりやすい本が翻訳でもちらほら出てきていることは喜ばしい。
多くのレビューアーが書いているように、この本で触れられているトピックには極めて興味深いものも多い。
たとえ現時点では十分に検証されていなくても、仮説として十分に価値のある話もある。
しかし、それらに対する筆者の解釈は、しばしば不適切であり、それが気になって読み進めるのが辛かった。
進化を扱っているにもかかわらず、筆者の進化に対する理解にはかなり問題があるからである。
生物進化の研究を志すものであれば、修士課程の大学院生でもしないような(したら馬鹿にされてしまうような)間� �いがいくつもある。
たとえば、しばしば単純な群淘汰論に陥ってしまうことなどである。
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本書が取り上げているトピックスは面白いので、そこに期待するのであれば良書である。
しかし、筆者の解釈を無批判に受け取ってしまう人にとっては悪書となるだろう。
読者を選び、読者に注意を要求する作品だと思う。
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34 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 楽しく読めるけれど、実は奥が深いきちんとした進化の本。,
レビュー対象商品: 迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか (単行本)
あなたのビジネスプランはどのように表示すべき?糖尿病は氷河期の適応が,環境が変わった今,問題になっている。マラリアになったら寝たきりになるのに,風邪だと無理をして会社に行っちゃうのは,マラリアは蚊に運んでもらえるから患者が動かなくても大丈夫だけど風邪は患者が移動しないと動けないから患者を寝たきりにできないから。なるほど,だから媒介者がいる病気ほど重篤になるのか。生物は単独で進化しているのではなく他の生物との関わり合いで進化していることがよくわかる。鉄を過剰にため込むヘマクロマトーシスや貧血も感染症へ対応するための進化だったものが病気という形になったもの。
病気という迷惑な進化も,もとをたどれば環境への適応だった。40年後に死ぬとわかっている薬を飲む理由はそれを飲まないと明日死ぬから。なるほど。
また ,この本では最近はやりのエピジェネティクスについても具体的な例でわかりやすく説明している。妊婦が必要な栄養が少ないジャンクフードを食べていると,生まれてくる子供は栄養が少ない環境に対応するため栄養をため込む遺伝子がスイッチONになる。
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けっこうびっくりするような学説を紹介していているが,どれも科学的な根拠があることで,特にこの本がえらいのは,紹介した学説のオリジナルがどの論文かを巻末に紹介してあること。この手の本には,どこからそんな怪しげな学説を引っ張ってきたのかわからないものもあるけれど,この本ではオリジナルに当たることができる。たとえば阪神淡路大震災のあと生まれた子供は女の子の比率が高かったことなど日本の研究者の論文が示してある。また,様々な学説を唱えている研究者のホームページも紹介してあるので信頼できる。
とにかく,文章が読みやすくて内容が面白い本でした
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5つ星のうち 3.0 かなり残念な本,
レビュー対象商品: 迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか (単行本)
前半の進化医学に関する説明はかなり良くできている。イーワルドの主張の繰り返しもあるが、実例をしっかりあげ、論理も説明も明快で進化医学の入門書としては素晴らしい。問題は後半にある。まず驚くのが、「種の保存のため」というナイーブな群選択説(純朴な、稚拙なとも形容される)を信じていること。群選択にまつわる議論はここ40年〜20年前のホットトピックだが、彼はその事を知らないようだ。彼の回りに種の保存論の論理的誤りを指摘してくれる人はいなかったのだろうか。種の保存論を信じていると、生物の社会性を論じるときに大きな過ちをおかすことになる。
次に突然変異に方向性があるという説。それ自体は度々主張されるから目新しくないが、本書のユニークな点は「遺伝子と形質が一対一で対応してい ないから」という的はずれなもの。遺伝子の多面発現性は古くから知られていたし、多面発現することと変異に方向性があるかどうかは全く別。
その後エピジェネティクスの話になるとまたまともに戻るのだか、変異の方向性と種の保存論という致命的な誤りは痛すぎる。
この二つがなぜどう間違いなのか分からないであろう初学者にはおすすめできない。
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